■ピロール作物■

近年、食物の機能性が話題になっています。作物では、ガンを予防するニンジンなどのベータカロチン、脳の老化防止に役立つというダイズのレシチンなど、この方面の研究が盛んになっており、こうした成分を抽出した医薬品が開発されています。
一方「健康食品」といういい方もされ、これは特定の成分をとりあげないが、健康を増進する日常的な食べ物ということになると思います。
もちろんこれは考え方の問題であり、エネルギーが不足すれば不健康になるのだから、すべての作物は健康作物であり機能性作物でありますが、現代の飽食時代においては、より健康や機能性が意識され、求められているということ。逆にいえば、作物の内容成分が低下したり、加工食品が氾濫する中で、食べ物全体として、その質が低下してきていることのあらわれとみることもできます。
そしてピロール農法は、健康増進と機能性がより高い農産物を追求する、「医食同源」にむけた農法と考えています。
ただ、最近はそういった健康志向に乗じて、健康食品という名の詐欺まがいの商品が存在する事も事実のようです。
よって軽はずみに健康食品という言葉を口にするのは避けなければいけませんが、ピロール農法による作物は通常の作物に比べ付加価値が高い作物であることはいえると思います。

■弱アルカリ・高ミネラル■

私どもが所属するピロール会(ピロール農法に賛同する専業農家、肥料店、小売店などで構成する会)では、pHやカルシウムを中心にピロール農法で作られた農産物の成分をたえず分析しています。その数百件に及ぶ分析結果からピロール農法による作物はpHやカルシウム含量に一般の物と比べ明らかな違いがでており、概ねpHが0.2以上高く、カルシウムが1.3倍以上の数値を示します。

■弱アルカリ
通常お米のpHは6.9前後の弱酸性で、一年経過するとpH5.0前後になってしまいます。白米では全体が褐変し特に高温多湿の夏場にはその変化が激しくなります。しかし、ピロール米はpH7.1前後の弱アルカリで数年経ってもpHは6.5前後に保たれています。くわえてカルシウムやマグネシウムなど、ミネラル分の含有量も高いので、劣化の促進をミネラル分が抑えてくれる効果と相まって白米の表面もつやつやして品質の保持にすぐれています。

■カルシウム
日本人の栄養摂取量でカルシウム不足が指摘されています。成人一日あたりの所要量は600ミリとされていますが、実際の摂取量は540ミリ前後とのことです。カルシウム不足は骨粗鬆症や高血圧症、精神不安定などの要因になるといわれています。
こうしたことから、各種のカルシウム剤が市販されていますが、通常こうしたカルシウム剤の吸収率はおよそ1.0パーセントといわれ、これに対し牛乳や小魚、農産物の吸収率はこれよりはるかに高い。これら生体にはキレート化された形のカルシウムが多く含まれ、吸収率がよいそうです。牛乳で13パーセント、小魚で15パーセントとのこと。
やはり栄養摂取の基本は食べ物です。ピロール米には普通のお米より30パーセント〜60パーセントも多いカルシウムが含まれます。
■マグネシウム
カルシウムと同時に大切なミネラルがマグネシウムです。近年とみにその重要性が指摘されています。カルシウムとマグネシウムのバランスが重要で、その比率が虚血性心疾患の発症率に関係しているともいわれます。食事中のカルシウムとマグネシウムの比率、Ca/Mg差が大きくなると発症率が高くなるということです。
マグネシウムの必要量は成人で一日300グラムですが、これはなかなかむずかしい量なのです。マグネシウムは成人の体内では70パーセントが骨に含まれています。つまりカルシウムだけでは丈夫な骨はつくれないということです。カルシウムが効率よく骨に変化するためにはマグネシウムが必要で、そのときリン酸カルシウムや炭酸カルシウムが強度のある骨を形成するわけです。
現在のところ、日本人のマグネシウム摂取量は200ミリ程度で目標値には足りません。一方、骨粗鬆症などの予防のためカルシウムの摂取量は年々増加傾向にあり、カルシウム対マグネシウム比は高くなる傾向にあります。
動物にカルシウム対マグネシウム比の大きい食事を食べさせた実験では、カルシウム代謝を乱し、カルシウムが沈着してはならない血管や組織に付着して心疾患などを誘発する可能性があることが指摘されています。
骨づくりにはカルシウムが不可欠ですが、同時にマグネシウムを摂ることがカルシウムの吸収につながり、余分な場所にカルシウムを沈着させずに強い骨をつくることになるのです。
幸いにしてピロール作物は一般作物に比べてカルシウム対マグネシウムの比が小さいのも特徴ですから、骨形成の上からも付加価値の高い作物といえると思います。

■不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸

脂肪や油脂が体内で分解すると脂肪酸が生じます。脂肪酸は炭化水素とカルボン酸を有することが特徴で、脂肪や油脂を構成しているものは大きく飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分類できます。固体の脂肪には飽和脂肪酸が多く、液体の油脂には不飽和脂肪酸が多いといえます。
飽和脂肪酸はすべての炭素が水素で満たされているのが特徴で、炭素数10以上のものはすべて固体です。不飽和脂肪酸は炭化水素の部分に二重結合を有しており、二重結合が二個以上あるものを多価不飽和脂肪酸と呼んでいます。その中でリノール酸、リノレン酸、アラキドン酸の三つは人体では生成不能であるうえ、重要な働きをするので必須脂肪酸と呼ばれています。不飽和脂肪酸は一般に融点が低く、室温では液体で、α−リノレン酸、DHA、EPAなどはこれらに属します。
これら三つの主な不飽和脂肪酸は体内での中性脂肪の蓄積抑制や脂肪が脂肪細胞へ変化するのを阻止する作用があります。つまり、血栓や動脈硬化、肥満の防止に効果があるわけです。
グリーンランドに住むエスキモー人はデンマークに住むエスキモー人に比べて極端に動脈硬化が少ないのですが、その原因としてグリーンランドのエスキモー人の食事として採るものの中にα−リノレン酸やEPA、DHAなどの不飽和脂肪酸が多く含まれているからだといわれます。摂取する食用油脂の質などの状態が血中の資質レベルに影響を与えるのです。食品中の脂肪酸と血中コレステロール変動との疫学調査による関係が明らかにされてもいます。
血中のコレステロール値を上昇させるのは飽和脂肪酸で、逆に下げる効果があるのは不飽和脂肪酸で、特にα−リノレン酸、EPA、DHAはその効果が大きい。さらに、飽和脂肪酸をSと略記し、不飽和脂肪酸の総量をPとすると、P対Sが1以上になることが望ましいということなどがわかっています。
ピロール作物は一般作物に比べてP対Sの値が高いことも効果の一つです。


■資料■酒井弥氏(理学博士)
高カルシウム作物を作る
ピロール農法

農文協
食卓革命
高カルシウム作物のはなし

晩聲社
※まだまだ、たくさんのピロール農法の特徴が書かれています。
■新潟の生産農家の皆様、家庭菜園を営む皆様■
私ども土田藤正商店はピロール農法・ピロール作物の普及を目指す全国ピロール会の新潟ピロール会代表でもあります。新潟県の農家の皆様からのピロール農法・ピロール資材の問い合わせもお待ちしております。
百聞は一見に如かず、まずは自家消費作物からでも試してみませんか?ピロール農法のすばらしさをぜひ、実感してください^^


商品紹介へ ピロール農法へ
商品紹介へ ピロール農法へ